「リチャード・ジュエル」は2020年1月17日に公開された作品で、監督は「アメリカン・スナイパー」や「ハドソン川の奇跡」を手掛けたクリント・イーストウッドが務めています。
1996年に開催されたアトランタオリンピックの最中に起きた爆破事件を題材としており、実話を基につくられた映像作品です。
この作品の主演を務めているポール・ウォルター・ハウザーは、この作品で第91回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞のブレイクスルー演技賞を受賞しました。
こちらの記事では気になる映画『リチャード・ジュエル』のあらすじネタバレや感想についても紹介します。
『リチャード・ジュエル』は2020年1月17日に公開されたばかりの新しい映画です。
2020年1月現在、映画『リチャード・ジュエル』は動画配信サービス(VOD)ではまだ視聴出来る配信サイトがみつかりませんでしたが、動画配信サービス(VOD)で公開された場合は、当サイトでもお知らせ致します!
映画『リチャード・ジュエル』作品詳細
「アメリカン・スナイパー」の巨匠クリント・イーストウッドが、1996年のアトランタ爆破テロ事件の真実を描いたサスペンスドラマ。
96年、五輪開催中のアトランタで、警備員のリチャード・ジュエルが、公園で不審なバッグを発見する。
その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。
多くの人々の命を救い一時は英雄視されるジュエルだったが、その裏でFBIはジュエルを第一容疑者として捜査を開始。
それを現地の新聞社とテレビ局が実名報道したことで、ジュエルを取り巻く状況は一転。
FBIは徹底的な捜査を行い、メディアによる連日の加熱報道で、ジュエルの人格は全国民の前で貶められていく。そんな状況に異を唱えるべく、ジュエルと旧知の弁護士ブライアントが立ち上がる。
ジュエルの母ボビも息子の無実を訴え続けるが……。
主人公リチャード・ジュエルを「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のポール・ウォルター・ハウザー、母ボビを「ミザリー」のキャシー・ベイツ、弁護士ブライアントを「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェルがそれぞれ演じる。
映画『リチャード・ジュエル』作品データ
- 原題/Richard Jewell
- 製作年/2019年製作
- 製作国/アメリカ
- 配給/ワーナー・ブラザース映画
- 上映時間/131分
映画『リチャード・ジュエル』キャスト一覧
- ポール・ウォルター・ハウザー/リチャード・ジュエル
- サム・ロックウェル/ワトソン・ブライアント
- キャシー・ベイツ/ボビ・ジュエル
- ジョン・ハム/トム・ショウ
- オリビア・ワイルド/キャシー・スクラッグス
- ニナ・アリアンダ/ナディア・ライト
- イアン・ゴメス/ダン・ベネット
映画『リチャード・ジュエル』スタッフ一覧
- 監督/クリント・イーストウッド
- 製作/クリント・イーストウッド/ティム・ムーア/ジェシカ・マイヤー/ケビン・ミッシャー/レオナルド・ディカプリオ/ジェニファー・デイビソン/ジョナ・ヒル
- 原案/マリー・ブレナー
- 脚本/ビリー・レイ
映画『リチャード・ジュエル』作品概要
「リチャード・ジュエル」は1996年のアトランタオリンピック開催中に実際に起きた爆破事件に巻き込まれた男性を主人公にしたサスペンスドラマの構成になっています。
仕掛けられた爆弾を早期に発見したリチャード・ジュエルは、被害を最小限に抑えることで五輪に沸く多くの人々の命を救い、当初は英雄として賞賛を浴びていました。
しかし第一発見者として爆弾を見つけたばかりに、事件を捜査していたFBIに疑惑の目を向けられてしまいます。
それを知ったメディアが大々的に報道したことで、人々の眼差しは称賛から非難の声に変わっていきます。
果たしてリチャード・ジュエルは名誉を挽回することができるのか。実話だからこそ伝わる臨場感は、手に汗握る展開が続く作品となっています。
映画『リチャード・ジュエル』作品あらすじ
運命の出会い
法執行官(警察官)を目指すリチャード・ジュエルは、とある事務所の備品係として働いている男性です。太った体型をしていたこともあり、周囲の目は厳しいものでした。
しかし事務所の弁護士であるワトソン・ブライアントだけは、リチャード・ジュエルの観察眼が鋭い点に気付き、「レイダー」というあだ名をつけて友人関係を築いていました。
そんなある日、リチャード・ジュエルが警備員なるために事務所を辞職します。そのことを知ったワトソン・ブライアントは、「権力を振りかざす悪人にはなるな」と言って見送るのでした。
一発逆転の大事件
大学の警備員になったリチャード・ジュエルでしたが、過度な取り締まりによって生徒の保護者から苦情を受けたことで、職を失ってしまいます。
しかしリチャード・ジュエルが住むアトランタでは、もうすぐオリンピック開催されることになっていました。
運よく開催中に行われるコンサートの警備員となったリチャード・ジュエルは「これもまた法執行官の仕事だ」と奮起して、真面目に仕事をこなします。
そんなある日、酔っ払いの若者とのトラブルを対処していたリチャード・ジュエルはベンチに不審な荷物を発見します。
誰もが「ただの忘れ物に違いない」と言いますが、リチャード・ジュエルだけは勤務規定に則り、不審物として取り扱うことを主張しました。
周囲は半信半疑でしたが、荷物の中に殺傷能力のあるパイプ爆弾を見つけると状況は一変します。
あわや大惨事となるところを、リチャード・ジュエルの鋭い観察眼によって、最小限に食い止めることができたのです。
英雄からの転落
「時の人」となったリチャード・ジュエルの元には、新聞各社やテレビ、出版社から取材や書籍化といったオファーがたくさん舞い込みます。
契約の知識のないリチャード・ジュエルは、旧友だった弁護士のワトソン・ブライアントに代理手続きを依頼する電話をかけたことで再会を果たすのでした。
その一方、事件を捜査していたFBIは第一発見者であるリチャード・ジュエルが犯人ではないかと疑いを持ち始めます。
また、特ダネを求めていた新聞記者のキャシーが「リチャード・ジュエル犯人説」を記事に取り上げたことで疑惑の目は、人々の間にも波及していくのでした。
這い上がるための一歩
母と暮らすリチャード・ジュエルの家にはたくさんのメディアが押し掛ける事態になり、FBIは家宅捜索に乗り出したことで精神的にも、肉体的にも追い詰められていきます。
誰もがリチャード・ジュエルを疑うなか、旧友のワトソン・ブライアントだけは「彼が犯人ではない」と信じ、弁護士として疑いを晴らすために立ち上がります。
果たしてリチャード・ジュエルは犯人なのでしょうか。そしてワトソン・ブライアントは、友の疑惑を晴らすことができるのでしょうか。
映画『リチャード・ジュエル』作品ラスト結末・ネタバレ
[aside type=”warning”] ここからは映画『リチャード・ジュエル』の重大なネタバレを含む内容となっております。「映画のあらすじだけ知りたい!」と思っている方、「絶対に結末を知りたくない方」はご注意下さい。[/aside]
リチャード・ジュエルは自身の潔白を証明するために、ワトソン・ブライアントと行動を開始します。
身勝手な内容を記事にした新聞記者であるキャシーに抗議し、リチャード・ジュエルの母であるボビは自ら記者会見の場に立ち、息子の無実を訴えます。
そしてFBIの尋問にも、リチャード・ジュエルは毅然とした態度で立ち向かいました。「証拠はあるのか」と問うリチャード・ジュエルに対し、FBIはなにも答えることができません。
家宅捜索まで行ったにも関わらず、FBIは犯人である決定的な証拠を掴めなかったからです。
リチャード・ジュエルが無実であると認められたのは、事件捜査が始まってから88日目のことでした。
その6年後、念願の警察官となったリチャード・ジュエルの前に旧友のワトソン・ブライアントが現れます。ワトソン・ブライアントは「事件の真犯人が捕まった」ことを報告するためにやってきたのです。
こうしてリチャード・ジュエルを苦しめた爆破事件は、ようやく幕が下りるのでした。
映画『リチャード・ジュエル』作品を視聴した感想と評価
「リチャード・ジュエル」はクリント・イーストウッド監督が手掛けた40本目の作品となります。
「ハドソン川の軌跡」や「アメリカン・スナイパー」といった実話を題材にした作品にも共通していますが、ドラマティックな演出は少なく淡々と話が進みます。
それでも目を離すことができない臨場感溢れる展開を生み出せるのが、クリント・イーストウッド監督の才能と言えます。
1996年はインターネットの普及率はそこまで高くない時代だったにも関わらず、現代の「炎上騒動」に通じる集団心理の恐ろしさとリンクする部分もあります。
実際に起きた事件を通して、社会問題について深く考えられる作品の魅力を、是非その目で味わってみてください。